トレーニング理論 筋トレ

「なんとなく筋トレ」は卒業!「特異性の原理」を活かしたメニューの組み方

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せっかく始めた筋トレの効果を、最大限に発揮するためには押さえておきたい原理原則。

それが筋トレにおける「3原理・5原則」である。

前回は「過負荷の原理」について解説したが、今回は「特異性の原理」について。

前回に続き、こちらの原理も知ってると知らないとでは、筋トレの効果に差が出てしまうので、トレーニングを始めたばかりの人はぜひ、前回の記事とあわせて読んでいってほしい。

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3原理・5原則

3原理
 ・過負荷の原理 
 ・特異性の原理 ← 今回の記事
 ・可逆性の原理

5原則
 ・全面性の原則
 ・個別性の原則
 ・意識性の原則
 ・漸進性の原則
 ・反復性の原則

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「特異性の原理」とは

特異性の原理(Specificity Principle) とは、「トレーニングで得られる効果は、実施した運動の種類や負荷に特異的に適応する」ということ。

例えば腹筋のトレーニングを行なった場合、腹筋の筋力が強くなるし、懸垂をすれば広背筋が強くなる。

パワーを鍛えるならパワー系の種目を、持久力を鍛えるなら持久系の種目を。

つまり、どんなトレーニングをするかによって、鍛えられる筋肉や能力が異なるため、目的に合ったトレーニングを選ぶことが重要になるということだ。

なぜ特異性の原理が重要なの

特異性の原理を理解することで、トレーニングの効果を最大化し、体の成長やパフォーマンスの向上を、効率よく目指すことができる。

下記が目的別の例なので、参考にしてほしい。

目的の例

・筋肥大を目指すなら...
  → 高重量・低回数で筋肉に
    十分な刺激を与える必要がある。

・持久力向上を目指すなら...
  → 低重量・高回数、または長時間の
    有酸素運動が適している。

・爆発的なパワーを高めるなら...
  → 高重量・スピード重視の
    トレーニングが必要になる。

目的に応じて適切な刺激を筋肉や神経に与えないと、求める結果は得られない。

意識しないとどうなる

特異性の原理を意識せずに取り組むと、トレーニングの効果が出にくくなる。結果、目標達成が遠のくだけでなく、怪我やパフォーマンスの低下につながる可能性もある。

具体的にどんな問題が起こるのか、詳しく解説していく。

目標に合った成果が出ない

間違ったトレーニングを選んでしまう

筋肥大したいのに、軽い重量で
 高回数ばかりやる 
→ 持久力は向上するが、筋肥大しにくい

持久力をつけたいのに、
 高重量・低回数ばかりやる 
→ 瞬発力は上がるが、持久力は伸びにくい

スポーツの競技特性を考えずに
 トレーニングする 
→ 実際の動作に活かせない

正しく意識する

特異性の原を無視すると…
・目標に合った成果が出にくい
・無駄な時間を過ごすことになる
・競技や実生活で役に立たない
・怪我のリスクが高まる
・モチベーションが低下する

特異性の原理を意識すれば…
・目的に合ったトレーニングができ、
 成果が出やすい
・効率的にトレーニングでき、
 最短で目標達成できる
・スポーツや日常動作に役立つ
・体に余計な負担をかけず、怪我を防げる
・成果を実感できるので、
 モチベーションが続く

自分が目指す目的や目標に沿った種目選択やメニューが組めるようになることが大切である。

筋肥大と筋持久力の違

結論、「筋肥大」と「筋持久力」の違いであっても、「特異性の原理」は密接に関係する。

どんな種目やメニューを選択するかによって、結果が変わってくるので、筋肥大なら筋肥大種目、メニューを。筋持久力なら筋持久力の種目やメニューを選定すること。

以下がそれぞれのメニュー例である。

筋肥大の場合

筋肥大メニュー

目的:見た目の筋肉を大きくしたい、
   ボディメイク、筋力アップ

重量:70~85% 1RM(1回持ち上げられる
   最大重量の70~85%)
回数:6~12回
セット数:3~5セット
休憩時間:30秒~90秒(短め)

ポイント

・高重量を扱うことで筋繊維を損傷させ、
 それを修復する過程で筋肉が大きくなる。
・速筋繊維は瞬発的な力を発揮するため、
 短時間で高負荷をかけることが重要。
・筋肥大を目的とする場合、
 「持久力向上のトレーニング」では効果が
 薄くなる。

筋持久力の場合

筋持久力メニュー

目的:スポーツ競技向上、持久力アップ、
   日常生活の体力強化

重量:50~65% 1RM
回数:15~25回以上
セット数:2~4セット
休憩時間:30秒以下(短い)

ポイント

・軽めの負荷を長時間かけることで、
 筋肉が「疲れにくい」ように適応する。
・遅筋繊維は持続的な運動に強いため、
 長時間の刺激を与えることで発達する。
・マラソンやトライアスロンの選手は、
 筋持久力を高めるトレーニングを優先する
 必要がある。

筋力を上げたい場合、有酸素を増やしても意味があるのか

筋力向上がメインの目的であれば、有酸素運動は控えめにするべきである。
なぜなら、筋力向上に特化したトレーニングは「高重量 × 低回数」にフォーカスし、筋繊維を最大限に動員することが重要だからだ。

しかし、有酸素運動を完全に無くすのではなく、「適切な量とタイミング」を意識すれば、筋力向上を妨げず、逆に役立つこともある。(初心者の場合、ここの塩梅が難しいので、慣れるまでは筋力アップか持久力アップに振り切った方が良いだろう。)

スポーツ競技と特異性の原理の関係

特異性の原理は、スポーツ競技において 「その競技特有の動作や能力を強化するためには、それに合ったトレーニングが必要」 という考え方である。

例えば、短距離走の選手が長距離ジョギングをメインにトレーニングしても、スプリントの爆発力は向上しない。逆に、マラソンランナーがパワーリフティングのような高重量・低回数のトレーニングをしても、持久力向上にはつながりにくい。

そのため、競技ごとに適したトレーニングを選び、目的に応じた筋肉・神経・エネルギーシステムを鍛えることが大切である。

初心者にも関係あるのか

ここまで「特異性の原理」について解説してきたが、そもそもこれは初心者から意識すべきなのか。

結論「意識するべき」である。

特に初心者のうちは目的と手段がごちゃ混ぜになりやすく、種目やメニューを間違えやすい。

マラソンを例に取ってみよう。

筋持久力を向上させるために、ジャンプスクワットを始めた。すると、ジャンプスクワット自体が楽しくなり、どんどん重量アップを求めて高重量にチャレンジするように。

結果、脚の筋肉が筋肥大し体重も増加、マラソンを走り切る持久力がなくなってしまった。

と、こういう自体になりかねない。

目的と手段は明確にしておく必要があり、常に「目的を意識」しておかなければいけない。

「目的 → 種目の選択→ メニューの組み方」の順で考えると、目的と手段が大きくずれることはないだろう。

まとめ

前回の「過負荷の原理」とあわせて、「特異性の原理」も意識することで、効率よく体を変えられたり、競技能力を向上させることができる。

しかし、間違った認識であったり、目的と手段を履き違えると、思うような結果が得られない。

そうならないように、この記事とあわせて他の記事も参考にしてほしい。

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  • この記事を書いた人

クレヨン

関西出身。元アスリートの経験を活かすべく、パーソナルトレーナーに。 トレーナー歴10年。 2025年からは不動産業も開始。 「水曜どうでしょう」が好きなのでこのサイトタイトルに。

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